談話室(ティータイム




三人の博士と老婦人


              
 

   「あなたはわたしを見たので信じた。見ないで信じた者は幸いである」
    (ヨハネ20:29)

 

民衆に神を信じさせないようにするのも社会主義政策の一つです。ある社会主義国の政府が、神はいないということを国民に納得させようとして、大会を開きました。そして広場の中央にステージを設けて、三人の博士を講師として招きました。
      
最初に講演したのは天文学博士です。彼は神がいない理由を多く述べてから大声で「わたしは天体望遠鏡で宇宙を20年間も観察してきました。しかし、一度も神を見たことがありません。それは神がいないからです」と言いました。この時、聴衆から多くの拍手が起こり、彼は得意になってステージから下りました。

次に講演したのは医学博士で、彼は人間には霊魂などないと、これまた多くの理由を並べたてました。そして大声で「わたしはこれまでに100体以上の死体を解剖してきましたが、どの部分を細かく調べても霊や魂のある所を見つけ出したことがありません。霊や魂を宿らせる場所は心臓の中ですか、それとも脳の中ですか、血液の中ですか?わたしは30年間も死体を解剖してきましたが、霊や魂など見たことがありません。ですから霊魂などないのです」と言いました。この時また聴衆から拍手が沸き上がり、彼は満足そうにステージから下りました。

続いてステージに上がったのは女性です。彼女は倫理学者です。彼女はゆっくりとステージに上がると、「人が死ぬのはともし火が消えるのと同じです。死ねば、それで終わりです。すべては無に帰するだけです。決して天国とか地獄とか、永遠の命とか将来の裁きなどありません。私は古今東西すべての書物を読み尽くしましたが、そのような記述を見たことはありません」と言いました。

三人の博士の講演が終わると、司会者は民衆に向かって「だれでもこの三人の博士の講演について異論がある方は、それを公に討論してください」と言いました。しばらく待ってもだれも反論する者がありません。そこでその講演者を勝利のうちに締めくくろうとした時、一人のクリスチャンである老婦人が進み出て「幾つか反問させていただけますか?」と聞きました。司会者は「大変結構なことです」と言って彼女をステージに上げました。       

老婦人はまず、最初の博士に向かって問いました、「あなたは望遠鏡で20年間も観察なさったと言われましたが、あなたは風をご覧になりましたか?風はどんな形ですか?」。そこで博士は「望遠鏡で風が見えるはずがないでしょう」。すると老婦人はすかさず「では風はないのでしょうか?望遠鏡で風が見えないからといって風はないと言えません」。博士は答えにつまってしまいました。

彼女は次の博士に「あなたは奥様を愛しておられますか?」と尋ねました。「もちろん、愛しています」と答えました。老婦人は言いました、「解剖用のメスをわたしに使わせてください。わたしはあなたの腹を切り割いて奥様を愛しておられる愛がどの部分にあるか調べてみましょう。肝臓ですか、胃ですか、それとも腸の部分ですか?」聴衆は大声を出して笑いました。

老婦人は次に女博士に言いました、「あなたはこの本を読んだことがないのですか?この本は聖書です。この本にはっきりと『人が一度死ぬことと、その後、裁きが定められている』(ヘブル9:27)と書かれています。また『御子の中へと信じる者は永遠の命を持つ』(ヨハネ3:36)、『信じない者はすでに罪定めされている』(ヨハネ3:18)とあります。あなたは死ねば終わりであるなどと断じて思うべきではありません。死んだ後のほうが生きている時よりも長いのです」と言いました。こうして大会は、聴衆に神がいるということを納得させるという正反対の結果で幕を閉じたのです。

「わたしたちは見えるものにではなく、見えないものに目をとめます」
(Uコリント4:18)



出典:日本福音書房 「恵みのことば」第3号


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